セロトニンの効果

 セロトニンは神経伝達物質の一種で、精神を安定させ幸福感を高める作用があるため、「幸せホルモン」と呼ばれています。

 ストレスに関係するホルモンとして知られているのが、ノルアドレナリン、ドーパミン、そしてセロトニンです。脳内には約1000億個の神経細胞があり、これらのホルモンは、神経細胞同士が情報をやり取りする際に必要な神経伝達物質として働きます。

ノルアドレナリン

  • 充足していると:緊張や不安、集中、積極性をもたらし、ストレスに打ち勝つために働きます。
  • 過剰になると:攻撃的になったり、ヒステリーやパニックを引き起こします。
  • 不足していると:無気力になり、意欲が減衰します。

ドーパミン

  • 充足していると:喜びや快楽、意欲をもたらします。
  • 過剰になると:過食や買い物依存、アルコール依存の原因になります。
  • 不足していると:無関心になり、性機能や運動機能が低下します。

セロトニン

  • 充足していると:アドレナリンやドーパミンの過剰な暴走を抑制します。
  • 不足していると:感情のブレーキが利かず、平常心を保てなくなります。

 ストレスがかかると、ノルアドレナリンが自律神経に働きかけて心拍数を上げたり、血流量を増やしたりして、活動しやすい状態をつくります。一方、辛い状況を乗り越えたときの達成感や喜びなど、快感をもたらすのがドーパミンです。一方で、この二つをコントロールし、気持ちを安定させるのがセロトニンです。ストレスによる心身のダメージを減らすには、これら脳内物質のバランスが大切です。

 セロトニンは、脳から分泌される睡眠ホルモンであるメラトニンの原料でもあります。メラトニンには、季節のリズムや睡眠・覚醒リズム、ホルモン分泌の周期など、概日(サーカディアン)リズムを調整する作用があります。以前から、睡眠時間が短いと糖尿病になりやすいことが知られていましたが、最近ではメラトニンが不足すると糖尿病の発症率が高くなるとの研究結果も報告されています。

概日(サーカディアン)リズム

体温やホルモン分泌などを調整する体内時計は、25時間周期で動いています。一方、地球の1日周期は24時間です。このズレを調整するのが日光で、毎朝日光を浴びることで睡眠・覚醒リズムが整い、質の良い睡眠が得られるようになります。日光を浴びると、睡眠・覚醒リズムが整い、質の良い睡眠を得られるようになります。

参考)

https://www.ohara-ch.co.jp/meitantei/vol01_1.html
https://www.ohara-ch.co.jp/meitantei/vol01_2.html